N-YAN 鉄旅&アジア旅

大阪在住の46歳が常識の限界に挑む(?)長期の旅に出たりします。

【アジア雑感】中国の交通系カードはなぜダメダメなのか?

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最近、「Paypayの100億祭り」で一気に活況を呈した日本のQRコード決済市場。今後消費税値上げ時にQRコードがらみの税金還元の動きが官主導で行われる模様で、今後もQRコード決済がどのように浸透していくのかいかないのか注目している。 
さて、今日の主題はちょっと角度を変えて「あれだけ爆発的にQRコード決済が普及した中国なのに、なぜその一つ手前の段階のICカード(特に交通系カード)はダメダメなのか?」という問題を考えたい。 
QR決済がここまであっという間に普及してしまった中国。少し前まではICカードどころか、うすっぺらい紙切れに印刷された切符を手売り(!)していたのを覚えている。たかだか20数年前の北京の地下鉄での話である。そんな前近代的な状況から、自動券売機もオレンジカードイオカードもするっとKANSAIもスイカパスモもぜーーーんぶすっとばして現在QRコードで地下鉄などに乗れるようになってしまった(こういうのを「リープフロッグ現象」という)訳だが、交通関係に関しては自動改札でのもたつき・滞留を
避けたい当局の意向からか、現在でもさすがにICカードが主流だ。 
しかし、この中国のICカード、困ったことに省どころか、都市ごとに別のカードが必要で、100km圏である広州市と深圳市でもその都市のカードが必要・・・というなんとも不便な状況なのだ。日本もかつてはスイカとイコカなどが相互利用できなかったが、それが可能になり、一挙に便利になった記憶がある。 
中国は地方ごとの権限(縦割り意識)が強く、交通カードの統一はまず無理だろう。 
それに加えて理解に苦しむのが「どこでカードを売っていて、どこでチャージできるのか判然としない」という点だ。香港の「オクトパスカード」のように券売機でさくっと買うことなどまず出来ないし、同様に香港のように駅ごとに何台もチャージ機が置いてある、ということもない。 
この間、厦門(アモイ)で交通カードを買った際には地元の友人の案内であったにもかかわらず、なぜか「郵便局で買ってくれ」と言われ、チャージもアリペイなどを経由しないとうまく出来ない。「どーーーーして、君たちはQR決済などというあれだけ便利なシステムを作りあげたのに、ICカードの販売、チャージなんて簡単なことができないんだ!?わざとめんどくさくしたいんか!!」と言いたくもなる。ICカードの販売機、チャージ機なんてそれほど手間や技術やカネがかかるものでもない。現在の中国政府なら紅色蒙宅糖さん刷りまくりで、何百万台でも発注できるはずだ。もし高額紙幣のニセ札が怖いのであればQRの読み取り口をつけてQRでチャージするようにすればよい(一部の都市のICカードでは導入済)。これは技術的問題というより、どーも中国という「なんとも気が利かない社会」の縮図のような気がしてならない。QR決済は一見先進的なように見えて、端末の操作や充電、そしてネット環境下でないといけない・・などワタクシ自身使って見て実はそんなに便利なものじゃないように思えた。 

日本社会は「QR決済が一番先進的」と思っているだろうが、日本のスイカや香港のオクトパスカードのような汎用性の極めて高いICカードは充電もネット環境もいらず、実はQR決済より簡便で堅実な方法だといえる。「都市国家型社会」香港のオクトパスカードの利便性には及ばないまでも日本は折角極めて利便性の高い交通系ICカードという強い武器があるのだから「キャッシュレス社会=QRコード(スマホ)万能」となんでも短絡的に考えず、お年寄り、障害者、子供などにも使いやすい交通系ICカードを中心にすえたキャッシュレス社会の青写真を描いてもいいのではないだろうか?と思えてならない。孫さんに100億使わすくらいなら、今度は政府がてこ入れして、JR各社「ICカード祭り」でJR全線ICカードで乗れば20%キャッシュバック!とかやって頂けたりすると我々鉄ヲタたちは狂喜乱舞するのだが・・。